Keystep

基本操作

スリムキー・キーボード

スリムキー・キーボードはベロシティとプレッシャー (アフタータッチ) センスの両方に対応している

ベロシティカーブとアフタータッチのレスポンスはMIDI Control Centerで設定できる

キーボードのMIDIチャンネル選択

KeyStepのMIDIチャンネルを外部機器と合わせたい場合、この方法が簡単

Shiftボタンを押しながら、設定したいMIDIチャンネルに対応するキーボードのキーを押す

MIDIチャンネルを変更すると、それに合わせてKbd Play MIDIチャンネルも変わる

フロントパネル

Seq / Arpトグルスイッチ
Seqにセット シーケンスの演奏やレコーディングができる
Arpにセット 各ノブはアルペジオパターンの選択と演奏時の音符指定として機能する
Seq / Arp Modeノブ

シーケンサー/アルペジエイターの動作モードを選択

シーケンサーモード 8種類のシーケンスの選択に使用する
アルペジエイターモード キーボードでコードを押さえた時のパターン選択に使用する
Time Divノブ Time Div (タイムディビジョン) ノブで、シーケンスやアルペジオの演奏時の音の細かさ (音符) を指定する
8種類の音符から
Rateノブ Rateノブでシーケンスやアルペジオのテンポを調節する
テンポ調節はTapボタンでも行える
テンポはBPM30〜240の範囲で調節できる
MIDI Control CenterではRateノブを回した時の反応方法を選択できる

選択できるタイプは2種類

ジャンプモード 瞬時にテンポが変化する
ピックアップモード ノブの向きがその時の設定値にヒットするまでは何も反応
Tapボタン (レスト/タイ) Tapボタンでシーケンスやアルペジオのテンポをリアルタイムに設定できる
音楽のテンポに合わせてTapボタンを数回叩くだけでテンポが変化する
テンポを設定するのに必要な叩く回数は、MIDI Control Centerで設定できる

シーケンス作成時にレスト(休符)を入れるのにも使う

シーケンス作成時にタイ(2つのノートをつなげる)を入れる際にも使う

トランスポートセクション トランスポートセクションの各ボタンでシーケンサーやアルペジエイター、あるいはMIDIマシンコントロールを使用して外部MIDI機器をコントロールする
使用しているDAWがMMC(MIDIマシンコントロール)コマンドに対応していない場合でも、このボタンからMIDIメッセージを送信できる
その場合の設定はMIDI Control Centerで行う
シーケンサーモードではこのセクションのボタンをすべて使用するが、アルペジエイターモードではPlay/PauseとStopボタンのみを使用する
このセクションの各ボタンには、シーケンス作成時に使用する機能 (Append, Clear Last, Restart)
オールノートオフ 何らかの理由で音が止まらなくなってしまった時に、Stopボタンを素早く3回押す
この時、KeyStepからMIDIのオールノートオフコマンドを送る
Hold / Chordボタン

Holdボタンを使用すると、演奏中のアルペジオに音を追加できる(最大32音まで)

Shiftボタンを押しながらHoldボタンを押すと、コードモードのオン/オフが切り変わる

Shiftボタン コードモードやキーボードでMIDIチャンネルを変更するなど、ボタンの1つの機能を使用する時に押す
また、スウィングとゲートタイムの設定を変更して、演奏中のシーケンスのノリをリアルタイムに変化させる際にもShiftボタンを使用する
こうした機能はすべて、Shiftボタンを押しながら別のボタンやキーボードを押して使う
Oct -/+, Transpose, Kbd Playボタン この2つのボタンはキーボードの音域をオクターブ単位で変更する際に使用する
デフォルトのオクターブから遠く離れるほど、ボタンが速く点滅する
最大で上下4オクターブまで変更でき、両方のボタンを同時に押すとデフォルトのオクターブにリセットする

ボタンの下に青文字でプリントされている機能は、Shiftボタンを押しながらOct-/Oct+ボタンを押して切り替えるシーケンス演奏中のキーボードの動作で、次の2種類がある:

Shift + Oct Minus トランスポーズモード:シーケンスの演奏中にキーボードを押すとシーケンスがトランスポーズ (移調)する
Shift + Oct Plus キーボードプレイモード:シーケンスの演奏中に別パートとしてキーボード演奏ができる

キーボードプレイモードのMIDIチャンネルを別に設定できる
トランスポーズとキーボードプレイの各モードは両方を同時使用することはできない
Shiftボタンを押すとOctかOct+ボタンのどちらかが点灯してどちらのモードがオンなのかがわかる

ピッチ & Mod タッチストリップ このコントロールは一般的なホイールに代わるもの
MIDI Control CenterでそれぞれのMIDIチャンネルを個別に設定でき、ModストリップはMIDIコンティニュアス・コントロールナンバー(MIDI CC#)も設定できる

リアパネル

USB/DC IN このUSBポートは、コンピュータのUSBポートから供給される電源を受けたり、コンピュータとの間でデータのやり取りをする際に使用する
KeyStepをコンピュータに接続せずに使用する場合は、市販のUSBモバイル充電器をここに接続して電源にすることもできる
9V DC IN (オプションの電源アダプター用) KeyStepは、コンピュータやタブレットと接続せず、単体でも使用できる
その場合、KeyStepに適合する別売の電源アダプター (9V DC, 500mA, センタープラス) をこの端子に接続する
タブレットなどモバイル機器からの電源供給が十分でない場合、別売の電源アダプターをこの端子に接続してご使用する
Pitch/Gate/Mod アウトプット これらの端子はArturiaのアナログシンセサイザー (MiniBrute/SE, MicroBrute/SE, MatrixBrute) やモジュラーアナログシンセサイザーをコントロールする電気信号を送る際に使用する
Pitchアウトのことをコントロール電圧またはCVと呼ぶ
Gateアウトはトリガーと言われることもある
Modアウトはもう1つのタイプのコントロール電圧アウトで、色々なアナログ機器に接続できる
MIDI Control Centerでは、これらの各アウトにどのような信号を出力するかを設定できる
Sustain ペダルインプット モーメンタリータイプのフットスイッチ (別売) をこの端子に接続する
KeyStepの電源を入れる前に接続するのがベスト
そうすると接続したペダルの極性をKeyStepで検出できる

ペダルを接続する場合
ペダルを踏んでいない状態で接続しないと極性を逆に判断してしまい、ペダルを踏むとサステインが切れるというように動作が逆になってしまうことがある
そのような場合には、KeyStepの電源を一旦外し、また電源をつなぎ直す

Sync インプット/アウトプット KeyStepとコルグやローランドなどのドラムマシンとの同期演奏を、MIDI以前のテクノロジーで行う際に使用する
MIDI インプット/アウトプット 一般的なMIDIケーブルを接続し、KeyStepから外部のMIDI対応機器へMIDIデータを送信する
また、コンピュータからの信号をMIDIデータとして外部MIDI機器へ送信することもできる
キーボードからのMIDIノートデータが送信できるほか、KeyStepはMIDIシンク (MIDIクロック) の送受信も可能
また、MIDI Control Centerを使用することで、KeyStepのコントロール類から特定のMIDIデータを送信するように設定することもできる
シンクソース選択スイッチ シンク (同期) 演奏には4種類の選択オプションがあり、その選択をリアパネルのスイッチで行う

その他

ピッチ/Mod タッチストリップ ピッチとModのタッチストリップの動作は一般的なホイールと同様だが、操作方法はホイールとは違い、ストリップに触れて指をスライドさせると動作する
ピッチストリップ ピッチストリップにはセンターゾーンがあり、その位置では何も変化しない
ストリップに触れて指を上にスライドするとピッチが上がり、下にスライドするとピッチが下がる
ストリップから指を放すと、その瞬間に元のピッチに戻る
Modストリップ Modストリップの動作はModホイール (モジュレーションホイール) と同様で、センターゾーンはなく、最低値から最高値までの一直線
Modストリップの最低位置 (手前側) に触れるとモジュレーションがかかっていない状態になり、そこから指を上にスライドするとモジュレーションがかかり始め、最高値までモジュレーションをかけられる
Modストリップから指を放しても、モジュレーションはその位置のままとなり、ゼロに戻らない
Holdボタン Holdボタンを使用すると、鍵盤から手を放してもアルペジエイターをそのまま演奏させることができるが他にも使い道がある
Holdボタンがオンの場合、アルペジオの和音を押さえた時の最低でも1音を放していない状態で別のキーを押すと、アルペジオに音を追加できる
サステインペダル モーメンタリータイプのフットスイッチを使う場合、リアパネルのSustainジャックに接続する
フットスイッチの動作が逆になってしまっている場合は、KeyStepの電源を一旦切り、再び電源に接続し直す
KeyStepが接続したフットスイッチの極性を判断して正しく動作できるようにする
MIDI Control Centerでサステインペダルの動作を設定できる
Oct - / Oct + ボタン どちらかのボタンを押すとキーボードの音域が上または下に最大4オクターブ移動する
デフォルトのオクターブから離れるほど、ボタンの点滅が速くなる
どちらかのOctボタンを押し終えた次にキーボードを弾くとオクターブが変更された音で発音する
両方のボタンを同時に押すと、キーボードのオクターブがデフォルト位置に戻る

ファクトリーリセット

OctボタンはKeyStepのすべての設定を工場出荷時の状態に戻す (ファクトリーリセット) 時にも使用する

操作

  • KeyStepを電源ソースから取り外す
  • Oct-とOct+ボタンを押したままにする
  • KeyStepの電源ソースをつなぎ直す

この時、KeyStepの電源投入時のLED点灯シーケンスがロングバージョンで流れる
このシーケンスはHold/Shift/Oct-/Oct+ボタンの点滅を2周して終わる

シーケンスの選択と演奏

重要:リアパネルの同期設定スイッチがインターナル (Internal) 以外にセットされていて、外部クロックを入力していない場合、シーケンサーは動作しない

注意:シーケンサーの動作時、コードモードの機能は限定的になる

シーケンサー/アルペジエイター・トグルスイッチ シーケンサーを使用するには、最初にSeq/ArpトグルスイッチをSeqにセットする
このスイッチをArpにセットするとアルペジエイターが動作する
シーケンサー/アルペジエイター・モードエンコーダー Seq/Arp Modeエンコーダーで8種類のシーケンスから1つを選択する
すでにシーケンスが演奏している場合は、MIDI Control Centerで次にスタートさせたいシーケンスを指定できる
8種類までのシーケンスを使ってオリジナル曲を入力できる
トランスポートコントロール Play/Pauseボタンを押すとシーケンスがスタートする
Play/Pauseボタンをもう一度押すとシーケンスが一時停止になり、次にスタートする時はその位置からスタートする
シーケンスを最初からスタートさせるには、Stopボタンを押してからPlay/Pauseボタンを押す
Rate ノブ (テンポ) RateノブまたはTapボタンを使用してシーケンスの再生テンポを調節する
シーケンスをスタートさせる前に、Tapボタンを数回叩いて欲しいテンポに設定しておくこともできる
MIDI Control Centerでは、テンポが実際に変わるのに必要なTapボタンを叩く回数を設定できる
また、Rateノブを回した時の反応方法も設定できる
Shiftボタンを押しながらRateノブを回すと、テンポを1BPM単位で微調整でき、小数点以下のBPMを00にできる
例:RateノブかTapボタンで設定したテンポが123.12BPMだった場合
この状態でShiftボタンを押しながらRateノブを時計の12時の位置に回すと、テンポが123.00BPMになって小数点以下をリセットする
そのままShiftボタンを押しながらRateノブを時計回り (右) に回していくと、BPMが124.00, 125.00, 126.00というように1BPM
単位で上がっていき、133.00BPMまでテンポ調節ができる
この時、Rateノブを反時計回り (左) に回していくと、122.00, 121.00, 120.00というように、113.00BPMまで1BPMずつ下がっていく
Time Divエンコーダー Time Divエンコーダーで、テンポに対するシーケンスの各ステップの音符を変更できる
1/4は4分音符(1ステップで1拍)、1/8は8分音符 (2ステップで1拍) というようになる
1/4Tや1/8TなどのTは三連符

アルペジエイター

アルペジエイターを使う

リアパネルの同期設定スイッチがインターナル (Internal) 以外にセットされていて、外部クロックを入力していない場合、アルペジエイターをは動作しない

Seq / Arp トグルスイッチ アルペジエイターを使用するには、最初にSeq/ArpトグルスイッチをArpにセットする
Seqにセットするとシーケンサーが動作する
Seq / Arp Mode エンコーダー Seq/Arp Modeエンコーダーで8種類のアルペジオパターンから1つを選択する
パターンにはUp,Down, Inclusive, Exclusive, Random, Order, Up x2, Down x2がある
トランスポートセクション Play/Pauseボタンを押し、鍵盤で和音を押さえるとアルペジオがスタートする
最大32音までアルペジオに追加できる
Play/Pauseボタンをもう一度押すとアルペジオパターンが一時停止し、次にスタートする時は停止した位置からスタートする
アルペジオパターンを最初からスタートさせるには、Stopボタンを押してからPlay/Pauseボタンを押し、鍵盤で和音を押さえる
3音以上の和音を押さえると、アルペジオパターンの違いがよりわかりやすくなる

テンポの設定

RateノブまたはTapボタンを使用してアルペジオのスピード (テンポ) を調節する
アルペジエイターをスタートさせる前に、Tapボタンを数回叩いて欲しいテンポに設定しておくこともできる
MIDI Control Centerでは、テンポが実際に変わるのに必要なTapボタンを叩く回数を設定できる
また、Rateノブを回した時の反応方法も設定できる
注意:TapボタンとRateノブは、KeyStepが外部シンク信号に同期している場合は動作しない
Shiftボタンを押しながらRateノブを回すと、テンポを1BPM単位で微調整でき、小数点以下のBPMを00にできる

例:RateノブかTapボタンで設定したテンポが123.12BPMだった場合
この状態でShiftボタンを押しながらRateノブを時計の12時の位置に回すと、テンポが123.00BPMになって小数点以下をリセットする
そのままShiftボタンを押しながらRateノブを時計回り (右) に回していくと、BPMが124.00, 125.00, 126.00というように1BPM単位で上がっていき、133.00BPMまでテンポ調節ができる
この時、Rateノブを反時計回り (左) に回していくと、122.00, 121.00, 120.00というように、113.00BPMまで1BPMずつ下がっていく

タイムディビジョン

Time Divエンコーダーで、テンポに対するアルペジオの音符を変更できる
1/4は4分音符 (1ステップで1拍)、1/8は8分音符 (2ステップで1拍) というようになる
1/4Tや1/8TなどのTは三連符を指す

ホールドボタン

Holdボタンがオン (点灯) の場合、鍵盤から手を放してもアルペジオがそのまま演奏し続ける
その後、鍵盤で別の音や和音を押さえると、その瞬間に押さえた音にアルペジオの演奏が変わる
鍵盤で押さえた音のうち、最低でも1つの音を放していない間は、最大32音までアルペジオに音を追加できる
音を追加した場合、その間に最も近いタイムディビジョンの位置で追加した音が発音される
このことは音域の広いアルペジオでも同様
鍵盤から完全に手を放しても、次に別の音やコードを押さえるまでアルペジオ演奏が続く

SHIFTボタンを使用する機能

Shift

KeyStepの各ボタンや鍵盤にはそれ本来の機能のほかに、もう1つの機能があり、それはShiftボタンを押しながら各ボタンや鍵盤を押すと発動する
これらの機能名は各ボタンの下や鍵盤の上に青文字でプリントされている

コードモード

複雑なコードでもワンフィンガーで弾ける
鍵盤で弾いた音に応じてコードが自動的にトランスポーズする
注意:以下の手順を実際に行うと、それ以前にメモリーされていたコードを消去して、新しいコードがメモリーされる

コードメモリー機能

操作

  • Shiftボタンを押しながらHoldボタンを長押し( 2つのボタンはまだ放さない)
  • Holdボタンが高速点滅(1秒に4回)する
  • 鍵盤で16音までの和音を押さえる(ここで押さえた音がメモリーされるコードになる)
  • コードを押さえ終えたら、2つのボタンを放す

この時点でHoldボタンの点滅スピードは1秒に1回のペースになり、KeyStepがコードモードに入っていることを知らせる
この状態で鍵盤を弾くと、メモリーされたコードを発音する
メモリーしたコードの最低音が、コードのトランスポーズの中心音になる
コードをメモリーした後、鍵盤で弾いた音がメモリーしたコードの最低音よりも高い場合はコードが高い方向にトランスポーズされ、メモリーしたコードの最低音よりも低い音を鍵盤で弾いた場合は、コードが低い方向にトランスポーズされる

知っておくと便利な機能:

  • Holdボタンの代わりにサステインペダルでもすべてのコードモードの機能を使用できる
    (ペダルは点滅しないが、ペダルを使えるのは便利)

コードモードとホールドモードの両方がオンの場合は、Holdボタンの点滅スピードが1秒に2回のペースになる

コードモードに入る/抜ける Shiftボタンを押しながらHoldボタンを押す

メモリーしたコードはKeyStepの電源を切ると消去される

コードモードとシーケンサー

コードモードとシーケンサーは同時使用できるが、一定の条件がある

シーケンスのレコーディングとコードモード

コードモードでのコードはシーケンサーでは別々の音としてレコーディングされる
例:6音のコードをシーケンサーにレコーディングした場合、1ステップに最大8音までレコーディングできるうち、6音を消費する

シーケンスのプレイバックとコードモード

シーケンスのプレイバック中、鍵盤はTranspose (トランスポーズ) または Kbd Play (キーボードプレイ)のどちらかのモードで動作する
鍵盤がトランスポーズモードの場合、鍵盤の各キーはシーケンスのトランスポーズ用に使用できる
この場合コードモードは使用できない
これは、鍵盤を弾いたときにコードとトランスポーズすべきなのか、シーケンスをトランスポーズすべきなのかが判断不能だから
鍵盤がキーボードプレイモードの場合、コードモードで接続先の音源を発音させることができる

コードモードとアルペジエイター

コードモードとアルペジエイターを併用して、コードモードのコードをアルペジオ的に演奏をさせることができる

操作

  • Seq/ArpトグルスイッチをArpにセットする
  • Play/Pauseボタンを押してアルペジエイターをスタートさせる
  • Shiftボタンを押しながらHoldボタンを押してコードモードに入る
  • 鍵盤で和音を押さえるとそのコードがアルペジエイターでトランスポーズされる

上記の手順ではアルペジエイターを先にオンにしているが、コードモードを先にオンにしてからアルペジエイターをオンにしても結果は同じになるので、オンにする順番は関係ない

キーボードのMIDIチャンネル

鍵盤の上には "Keyboard MIDI CH" というタイトルで数字がプリントされている
この数字は、鍵盤に割り当てることができる1〜16のMIDIチャンネル

MIDIチャンネルの変更

操作

  • Shiftボタンを押しながら変更したいMIDIチャンネルに対応する鍵盤のキーを押す

MIDIチャンネルを変更すると、Kbd Play MIDIチャンネルも一緒に変更される

ゲート

Seq/Arpで発音する音のゲート(Gate)タイムは、次の音が発音されるまでの間に、その音が実際に発音する時間的な長さを指す
最短10%
最長は90%

操作

  • Shiftボタンを押しながら設定したいゲートタイムに対応する鍵盤のキーを押す

各シーケンスでゲートタイムを個別に設定できる
各アルペジオモードもゲートタイムを個別に設定できる
シーケンスでは2つの音をつなぐ"タイ"も入れることができる

スウィング

スウィングは選択したシーケンスやアルペジオに"シャッフル"感を付けられる機能
シーケンスの音の発音タイミングをズラす(前の音を少し長めの発音にし、次の音は少し短めにする)

Off (スウィングなし, 50%) から53%、最大75%までの範囲の11種類の設定から選べる

操作

  • Shiftボタンを押しながら選択したいスウィング値に対応する鍵盤のキーを押して設定

例:タイムディビジョンが1/8(8分音符)の場合

  • スウィングがOff(50%):それぞれの音のタイミングは均等になり、ストレートな8分音符になる
  • スウィングが50%以上:最初の8分音符が少し長くなり、次の8分音符は少し短くなる(シャッフル感)
  • スウィングが75%(最高):8分音符のシャッフル感を超えて付点8分音符と16分音符のペアになったように聴こえる

スウィングの最低値と最高値は次のようになる

  • 各シーケンスでスウィングを個別に設定できる
  • 各アルペジオモードもスウィングを個別に設定できる

トランスポーズ / キーボードプレイ

トランスポーズとキーボードプレイはどちらか1つだけ選べる相互排他的なモード
どちらかのモードに切り替えるには、Shiftボタンを押しながらオクターブシフトボタン (Oct- / Oct+) のどちらかを押す

トランスポーズ

このモードがオンの場合、鍵盤のキーを押すと演奏中のシーケンスがトランスポーズ (移調))する

操作

  • トランスポーズモードをオンにするには、Shiftボタンを押しながらOct-ボタンを押す
  • するとOct-ボタンが点灯し、Kbd Playボタン (Oct+) が消灯する

MIDI Control Centerでは、鍵盤のキーを放した時にトランスポーズがそのまま続くか、すぐに解除されるかを設定できる

キーボードプレイ

このモードがオンの場合、シーケンスの演奏をCVアウトから出力しながら、鍵盤で外部MIDI機器の演奏ができる
キーボードプレイモードで使用するMIDIチャンネルを設定することができるので、シーケンスのMIDIチャンネルとは別のチャンネルに設定できる

操作

  • ShiftボタンとOct+ボタンを同時に押したままにする(Oct+ボタンが点灯し、Transposeボタン (Oct-) は消灯する)
  • Kbd Playモードで使用したいMIDIチャンネルの番号に対応する鍵盤のキーを押す

スキップセレクション:Seq / Arp

連続していないシーケンスやアルペジオパターンを、その中間にあるシーケンスやパターンを経由せずに選択することができる

例:シーケンス1を演奏中に次はシーケンス3に切り替えたい場合、シーケンス2を演奏させることなくシーケンス3を選択することができる

操作

  • Shiftボタンを押したままにする
  • Seq/Arp Modeエンコーダーを回して選択したいシーケンスにセットする
  • 選択したいシーケンスにセットしたら、Shiftボタンを放すと選択したシーケンスに移行する

MIDI Control Centerでは、シーケンスから別のシーケンスに移り変わる方法を、瞬時に移行するか、前のシーケンスが終わってから移行するかを設定できる

スキップセレクション:タイムディビジョン

KeyStepは、隣り合っていないタイムディビジョンを選択でき、その中間の設定をスキップすることができる

例:Time Divエンコーダーが1/4の時に、中間の1/8を飛ばして1/16に切り替えることができる

操作

  • Shiftボタンを押したままにする
  • Time Divエンコーダーを回して切り替えたい位置にセットする
  • Shiftボタンを放すと、選択したタイムディビジョンに切り替わる

Seq/Arpを先頭からリスタートする

ライブパフォーマンスなどで、シーケンスやアルペジオの前半部だけリピートさせたり、最初の数音だけを何度もリピートさせるといったことができる

操作

  • Shiftボタンを押しながらPlay/Pauseボタンを押す

Shift機能チャート

操作 機能
Shift + 鍵盤のキー(1〜16) MIDIチャンネルの選択とKbd PkayのMIDIチャンネルリセット
Shift + 鍵盤のキー(17〜21) グローバルのゲートタイム選択
Shift + 鍵盤のキー(22〜32) スウィングの選択
Shift + Oct- トランスポーズモードに入る
Shift + Oct+ キーボードプレイモードに入る
Shift + Oct+ + 鍵盤のキー キーボードプレイモードのMIDIチャンネル選択
Shift + HOLD コードモードのオン/オフ
Shift +HOLD + 鍵盤のキー コードモードの音の追加 (Holdボタンが高速点滅)
Shift + REC レコードアペンドモードに入る
Shift + STOP シーケンスの最終ステップを消去 (シーケンスモードのみ)
Shift + Play Seq/Arpの先頭に戻って再生をリスタート
Shift + Seq/Arp or Time Div エンコーダーの任意の位置に設定を変更し、Shiftボタンを放して適用
Shift + Rate Rateノブを12時の方向にセットして、アルペジオやシーケンスのBPMの小数点以下をカットして1BPMずつ微調整 (最大上下10BPM)
この操作は、KeyStepの同期設定がインターナルの時にのみ有効

シーケンスの作成

シーケンス

KeyStepは8種類のシーケンスをメモリーでき、各シーケンスは最長64ステップまで使用できる
シーケンサーは和音も入力できるポリフォニックで、1ステップにつき最大8音まで入力できる
フロントパネルで操作できないが、MIDI Control Centerで使用できるパラメーターもある
MIDI Control Centerを使用すればシーケンスのセーブや入れ替えもできる

ステップシーケンサーとは?

KeyStepのシーケンサーは1ステップに最大8音まで入力できる
KeyStepのシーケンサーが一般的なステップシーケンサーよりも優れている点は他にもあり、鍵盤のキーを押してシーケンスをトランスポーズさせることができる
シーケンスをループさせている間に、フィルターやエンベロープ、ピッチなどのセッティングを手動で調節することができる
KeyStepでは8種類までのシーケンスをどこにでも持ち歩ける

シーケンスを作成する

本体リアパネルの同期設定がインターナル (Internal) 以外にセットされていて、外部クロック信号を入力していない場合、シーケンサーは動作しない

シーケンスを作成するには、次の3つの操作が必要になる:

  • Seq / ArpトグルスイッチをSeqにセットする
  • Seq / Arp Modeエンコーダーでシーケンスを選択する
  • シーケンスが演奏中の場合はStopボタンを押して停止させる

KeyStepではシーケンスの入力方法として、ステップタイム・レコーディングとリアルタイム・レコーディングの2種類が使用できる

ステップタイム・レコーディング

操作

  • Recordボタンを押す
  • 鍵盤で単音または複数の音 (和音) を1つ弾く
  • 鍵盤から手を放して次のステップに進む
  • 上記2つの操作を繰り返す
  • シーケンスの終端にしたいところまで入力したら、Stopボタンを押す
  • シーケンスのステップを次に進めるには、鍵盤から指を完全に放す必要がある
  • 鍵盤から指を完全に放す前に次の音を弾くと、同じステップに両方の音が入力されてしまいる
  • Playボタンを押して作成したシーケンスを聴く

ステップレコーディングではTime Divの設定は入力されず、再生時にのみ適用される

最長64ステップまでの何も入っていない空のシーケンスを作成する

操作

  • Recordボタンを押してRec Step (ステップレコーディング) モードに入る
  • Recordボタンを押しながらMIDIチャンネルの鍵盤のキーを、必要なステップ数になるまで押す

例:Recordボタンを押しながら16 + 16 + 8 + 2と押すと合計42ステップの空のシーケンスができる

休符を入れる

音と音の隙間のことを"レスト"(休符)とも言う
Tapボタンの下に"Rest / Tie"とプリントされている
レストを入れるにはTapボタンを使うことになるが、タイを入れる時にもTapボタンを使用する

操作

  • Recordボタンを押す(以降の操作を行うと、入っていたシーケンスが消去される)
  • 単音または複数の音 (和音) を鍵盤で1つ弾く
  • 鍵盤から手を放して次のステップに進む
  • Tapボタンを押してレストを入れる
  • 上記3つの操作を3回繰り返す
  • 入力が終わったらStopボタンを押す
  • Playボタンを押して、作成したシーケンスを聴く
  • 2つの音の間のレストをさらに長くしたい場合は、必要な数だけTapボタンを押す

タイで音をつなげる

次のステップまで音をつなげて長く伸ばすこともできる
まずRecordボタンを押して点灯させ、次の手順を行う
(以下の操作を行うと、入っていたシーケンスが消去される)

操作

  • 単音または複数の音 (和音) を鍵盤で1つ弾き…
  • そのキーをそのまま押し続ける
  • Tie (Tap) ボタンを押して次のステップに進む
  • 音をさらに長く伸ばしたい場合は、必要な数だけTapボタンを押す
  • 鍵盤のキーをすべて放す
  • 欲しいシーケンスになるまで上記の手順を繰り返す

MIDI Control CenterのTie Modeオプションを使用すると、タイでつなげた音の挙動を設定できる

レガートを入れる

操作

  • Recordボタンを押す
  • Tapボタンを押したまま作業を行う
  • 単音または複数の音 (和音) を鍵盤で1つ弾く
  • 鍵盤から手を放して次のステップに進む
  • 別の単音または複数の音 (和音) を鍵盤で1つ弾く
  • 鍵盤から手を放して次のステップに進む
  • レガートの最後の音まで入力が進んだら、Tapボタンを放す
  • さらにシーケンスの続きを入力するか、Stopボタンを押してレコーディングを終了する
    上記のシーケンスをモノフォニックシンセで演奏させると、レガート奏法の演奏になる(ゲート信号がつながったまま、ピッチCVだけが変化する)
  • Playボタンを押すとシーケンスが再生される

別の操作例(コードが3ステップ間でつながったフレーズ)

操作

  • Recordボタンを押す
  • Tapボタンを押したまま、以下の操作をする
  • 鍵盤でC (ド) の音を1回弾き、手を放す
  • CとE (ミ) の音を同時に1回弾き、手を放す
  • C, E, G (ソ) の音を同時に1回弾き、手を放す
  • Tapボタンを放す
  • Tapボタンを1回押してレストを入れる
  • Stopボタンを押す

上述の例では、最終ステップまでコードがつながって聴こえるようにするにはゲートタイムを90%に設定する必要がある
それ以外の設定の場合、最終ステップが4分音符のように聴こえなくなる

リアルタイム・レコーディング/リプレース

KeyStepはシーケンサーがループしている間に、シーケンスをレコーディングしたり、シーケンスの一部の音を入れ替えたりすることができる

注意事項:

  • リアルタイム・レコーディングでは、シーケンスの長さを変更できず、選択したシーケンスの長さの中でレコーディング等をしなければならないので、最初にステップ・レコーディングで必要な長さのシーケンスを作っておく
  • KeyStepのMIDIやSyncアウトからドラムマシンを接続して同期演奏させておくと、レコーディング時に拍の位置がわかりやすくなる

MIDI Control Center上でシーケンスを作成して、そのデータをUSB経由でKeyStepに転送することもできる

リアルタイム・レコーディングには次の2種類の方法がある:

シーケンサー停止中 (ストップモード) Recordボタンを押しながらPlayボタンを押す
Recordボタンが点灯してシーケンスがループしする この状態で鍵盤を弾くと弾いた音が直近のステップに入力される
シーケンサー再生中 シーケンスがすでにループ中の場合は、Recordボタンを押すだけでレコーディング状態になり、鍵盤を弾くと既存の音に入れ替わって入力される 同じステップにすでに音が入っていた場合、新たに弾いた音に入れ替わる

音の入れ替え (リプレース)

上述の通り、リアルタイムで鍵盤を弾くと、その音がその時の直近のステップに入力される
そのステップにすでに音が入っていた場合は、新たに弾いた音に入れ替わる
これを利用して、ちょうど良いタイミングで鍵盤を弾いて、シーケンスの一部のステップの音を入れ替えることも可能

リスタート

シーケンスの先頭へ瞬時に戻る機能

操作

  • Shiftボタンを押しながらPlay/Pauseボタンを押す

レコーディングモード時でもこの操作ができるので、音を入れ替えたいステップが来ましたら、入れ替えたい音の鍵盤を弾いて音の入れ替え作業は完了

Time Div とレコーディング

タイムディビジョンの設定はレコーディング中にシーケンスの途中で変更できないがレコーディング中にテンポを一時的に変更するために設定を変えることは可能
リアルタイムで弾くのが難しいフレーズをレコーディングする場合、タイムディビジョンの設定をレコーディング中だけ一時的に変更 (1/8の代わりに1/4に等) し、テンポを遅くしてレコーディングすることもできる

Time Div と Rate

シーケンスのレコーディング中はRecordボタンが設定したタイムディビジョンの周期で点滅する

例えば、Time Divを1/4に設定した場合、RecordボタンはTapボタンと同じ周期で点滅する
ところが1/16に設定した場合はTapボタンの4倍の速さで点滅する
これは16分音符が4分音符の1/4の長さだから

シーケンスの長さを調節する

RecordボタンとMIDIチャンネル設定時に使用する鍵盤のキーで、シーケンスの長さを1〜64ステップの範囲で調節できる

方法は、Recordボタンを押しながら欲しいシーケンスの長さになるMIDIチャンネルの数字に対応した鍵盤のキーを押す
Recordボタンを押している間は、MIDIチャンネルの数字に対応した鍵盤のキーを押しても発音しない
Recordボタンを押している間は、MIDIチャンネル設定に使用する鍵盤のキーを複数回押して必要なシーケンスの長さに設定する

例えば、Recordボタンを押しながらMIDIチャンネルの4に対応する鍵盤のキーを3回押すと、シーケンスの長さは12ステップになる
Recordボタンを押しながら色々なMIDIチャンネル設定に使用する鍵盤のキーを押すことで、最長64ステップまで設定できる

例:Recordボタンを押しながら16 + 16 + 8 + 2と押すと合計で42ステップの長さになる
MIDI Control Centerには "Sequence Length Update" という機能があり、使用しないステップをカットしてシーケンスを短くすることができる

何がレコーディングできるか

KeyStepのシーケンサーでは次のタイプのデータをシーケンスの各ステップにレコーディングする:

  • 鍵盤で弾いたノートデータ
  • 各ノートデータのベロシティ (エディット可能)
  • レスト (Tapボタンを押す:連続する複数ステップのレストは長押し)
  • コードモードで演奏したコードの各音 この場合、コードの各音は独立したノートデータとして同じステップにレコーディングされる そのため6音のコードをレコーディングした場合、1ステップに8音までレコーディング可能なところ、6音を消費したことになる

鍵盤を複数ステップにまたがって弾いた場合は、タイでつながった音としてレコーディングされる

注意:コードモードで作成できるコードは16音が上限で、シーケンスの1ステップにレコーディングできる8音よりも多くなっている

8音を超えるコードをシーケンスにレコーディングした場合、コードの最低音から8音までがレコーディングされる

ノートデータのベロシティ

デフォルト設定では、鍵盤を弾いた時のベロシティもシーケンスにレコーディングされるが、MIDI Control Centerを使って各ノートデータのベロシティを同じ値にそろえることができる
また、特定のベロシティの値に変更することもできる
シーケンスがうるさすぎたり、音が小さすぎたりする場合は、MIDI Control Centerでシーケンスのベロシティをエディットすることもできる

レコーディングされないもの

シーケンサーにレコーディングされないデータのタイプ

  • ノートデータのデュレーション (ゲートタイム) 鍵盤のキーを複数ステップにまたがって押すとタイでつながった音になる
  • タイムディビジョンの変更
  • スウィングの設定
  • コントローラーのデータ
  • 8音以上のコードモードのノートデータ コードの最低音から8音までがレコーディングされる
  • MIDIやUSB経由で受信したデータ ノートデータを受信した場合はシーケンスのトランスポーズに使われる
また、KeyStepのシーケンサーとアルペジエイターは、受信したクロックデータに同期させることができる

アペンド

シーケンスの終端にノートやタイでつながったノート、レストを追加 (アペンド) してシーケンスを長くすることができる
注意:以下の操作を行うと、元のシーケンスが消去されたり、別の音に入れ替わったりする

操作

  • 延長したいシーケンスを選択する
  • Play/Pauseボタンを押してシーケンスをスタートさせる

重要:以下の操作は、シーケンスの演奏中に行う
停止中に以下の操作を行うとノートデータが消去される

• Shiftボタンを押したままにする
• Recordボタン (Append) を押す(Recordボタンが点灯)
• シーケンスの終わりでノートやコードを追加する場合は、追加したいノートやコードを鍵盤で弾く
• タイでつながったノートやコードをシーケンスの終わりで追加する場合は、Tapボタンを押しながら追加したいノートやコードを鍵盤で弾きく その前のステップのすべてのノートが長く伸びる

この時:
◦ 鍵盤を弾いたノートが前のステップと同じノートの場合、そのままタイでつながる (前のステップの音がそのまま伸る)
◦ 鍵盤を弾いたノートが前のステップと異なる場合はレガートになる

• シーケンスの終わりにレストを追加する場合は、Tap (Rest/Tie) ボタンを押す
上記3種類の操作 (ノートの追加、タイ、レスト) のうち1つを行うと、シーケンスが1ステップ分長くなる
ポイント:CV/Gateアウトは和音のCV/Gateは出力せず、単音のみ出力する
MIDI Control Centerでは、シーケンスに和音がある場合、どの音をCV/Gateアウトから出力するかを設定するパラメーターがある

クリアラスト

クリアラスト (Clear Last) はシーケンスの最終ステップをカットする機能
この機能はシーケンサーが演奏中でもレコーディング中でも、停止中でも使用できる

操作

  • 最終ステップをカットしたいシーケンスを選択する
  • Shiftボタンを押したままにする
  • Stop (Clear Last) ボタンを押す

シーケンスの演奏中にこの操作を行うと、ループの次の周回でシーケンスの最終ステップまで演奏して最終ステップがカットされる
クリアラスト機能は直前のレコーディングのアンドゥではなく、シーケンスの最終ステップをカットして全長を短くする機能

シーケンスのセーブ

KeyStepには8種類のシーケンスをメモリーできる
MIDI Control Centerを使えば、無限にシーケンスをストックできる
シーケンスをコンピュータにセーブしておけば、ライブやレコーディングなどで必要なシーケンスをピックアップして使用することができる

アルペジエイター

アルペジエイターの機能

KeyStepのアルペジエイターは、鍵盤で弾いた音に対して色々なアルペジオを作り出せる

アルペジエイターをスタートさせる

本体リアパネルのシンク設定がインターナル (Internal) 以外にセットされていて、外部からのクロックを入力していない場合、アルペジエイターは動作しない

モードの選択とアルペジエイターをスタートさせる方法

操作

  • Seq / ArpトグルスイッチをArpにセットする
  • Seq/Arp Modeエンコーダーでモードを選択する
  • Play/Pauseボタンを押す
  • 鍵盤でコードなどを押す

Arpモード

Arpモード 内容
Up アルペジエイターは鍵盤で押さえた音の最低音から最高音に向かってアルペジオ演奏する
最高音に達した後は再び最低音からスタートする
Down(Dwn) 鍵盤で押さえた音の最高音から最低音に向かってアルペジオ演奏する
最低音に達した後は再び最高音からスタートする
Inclusive(Inc) 鍵盤で押さえた音の最低音から最高音に向かってアルペジオ演奏をし、最高音から最低音に向かっていく
最高音と最低音をリピートする
Exclusive(Exc) 鍵盤で押さえた音の最低音から最高音に向かってアルペジオ演奏をし、最高音から最低音に向かっていく
最高音と最低音はリピートしない
Random(Rand) 鍵盤で押さえた音を1つずつランダムに発音する
MIDI Control Centerを使うと、ランダムのタイプを選択できる
(完全なランダム、周期性のあるランダム、ブラウン運動)
Order 鍵盤で押さえた順番でアルペジオ演奏する
Up x2 鍵盤で押さえた音の最低音から最高音に向かってアルペジオ演奏をするがUpモードとは違い、各音を2回ずつ発音する
Down(Dwn) x2 鍵盤で押さえた音の最高音から最低音に向かってアルペジオ演奏をする
Downモードとは違い、各音を2回ずつ発音する

アルペジオのオクターブ移動

Shiftボタンを押しながら、Oct+またはOct-ボタンを押すだけで設定できる
そうして鍵盤でコードなどを押さえると、最初の1周は鍵盤で弾いたオクターブで、2周目はその1オクターブ上または下でアルペジオ演奏をし、3周目は元のオクターブに戻るのを、鍵盤を押さえている間繰り返す
Shiftボタンを押しながらOct+またはOctボタンを複数回押すこともでき、その場合は複数オクターブにまたがってアルペジオ演奏をする
この方法で最大4オクターブ上または下に移動するアルペジオを作成できる

アルペジオのオクターブ移動がオンになっているかどうかの確認
Shiftボタンを押した時に、Oct+またはOct-ボタンが点滅している場合は、オクターブ移動がオンになっている
その時のオクターブ移動幅はOct+またはOct-ボタンの点滅スピードでわかる(大きくオクターブ移動するほど速く点滅)

幅広い音域のアルペジオを作成する

Holdボタンを押すと鍵盤から手を放してもアルペジオがそのまま続く

Holdボタンのもう1つの用途
Holdモードがオンの場合、最低1音でも鍵盤のキーを押さえている間はアルペジオの音を追加することができる
この時、Oct+/-ボタンで鍵盤のオクターブを切り替えることもできる

例えば、Holdボタンを押して鍵盤で和音を押さえてアルペジオをスタートさせる
この状態でOct+ボタンを2回押して、鍵盤で押さえている音の1つを押さえ直すと、その音の2オクターブ上の音がアルペジオに追加される

ここから先のセクションで覚えておくべきポイント
鍵盤のキーから指を放して別のキーを押さえると、その瞬間に放したキーの音は別のキーの音に入れ替わる

32音まで追加

アルペジオは最大32音まで追加できる

ポイント:音を追加するには、最初に押さえたキーの最低でも1音は押さえたままにする

操作

  • Seq / ArpトグルスイッチをArpにセットする
  • Play/Pauseボタンを押してアルペジエイターをスタートさせる
  • Holdボタンを押す
  • 鍵盤で単音か和音を押さえる(アルペジオ演奏が始まる)
  • 最低でも1音は押さえたままにしておき、Oct+ボタンを押す
  • オクターブを上げた音をアルペジオに追加する
  • 最低でも1音は押さえたままにしておき、Oct-ボタンを押す
  • オクターブを下げた音をアルペジオに追加する
  • 音の追加を繰り返す(上限は32音)
  • 音の追加が終わったら、鍵盤から手を放す
  • 次に鍵盤で別の音を押さえるか、アルペジエイターを停止させるまで、そのアルペジオが続く

注意:最低でも1音を押さえたままにしておけば、音を追加しても最初に押さえていた音を残しておける
MIDI Control Centerでは、Holdボタンと同様の機能をサステインペダルに設定できる

アルペジオの一時停止

アルペジオをパターンの途中で一時停止させることができる

操作

  • Arp ModeエンコーダーでRandomとOrder以外のモードを選択する (そのほうが何が起きているかがわかりやすくなる)
  • アルペジエイターをスタートさせる (Play/Pauseボタン)
  • Holdボタンを押す
  • 鍵盤でできるだけ多くのキーを押さえて面白いパターンにする
  • 作成したパターンに耳が慣れてきたら、途中でPlay/Pauseボタンを押す(パターンが一時停止)
  • Play/Pauseボタンをもう一度押す(パターンは一時停止した位置から再スタートし、アルペジオ演奏を続ける)

以下の操作をするとアルペジオが停止する

  • Hold/サステインがオフの場合:鍵盤から手を放す
  • Hold/サステインがオンの場合:鍵盤から手を放して別の音を押さえる (この場合は元のアルペジオから別のアルペジオに変わる)
  • Stopボタンを押す

パターンの途中で強制的に先頭に戻って再スタートしたい場合は、Shiftボタンを押しながらPlay/Pauseボタンを押す

シンク機能

シンク機能

KeyStepは様々な外部機器を同期演奏させるマスタークロックとして使用できるほか、色々なクロックソースに合わせて同期する (スレーブ) こともできる
シンク機能は本体リアパネルのスイッチで設定する
このスイッチは誤って別の設定に変わってしまわないように、一段凹んだ面にある
スイッチを操作する際はペンや小さなドライバー等を使用する

同期のマスターにする

本体リアパネルのスイッチをインターナル (Internal) にセットすると、KeyStepは同期クロックのマスターとして動作する

この場合次のような動作をする:

  • トランスポートセクションは内蔵シーケンサーとアルペジエイターをコントロールする
  • MIDIクロックメッセージがMIDIアウトとUSBポートから送信される
  • クロック信号がSyncアウトから出力される クロック信号のタイプはMIDI Control Centerで設定できる
  • テンポはRateノブとTapボタンで変更できる

同期のスレーブとして

本体リアパネルのスイッチをUSB, MIDI, Sync Inのいずれかにセットすると、KeyStepは外部クロックに合わせて動作する (スレーブ)

スレーブモードの場合、次のような動作をする:

  • 外部クロックを受信/入力している間は内蔵シーケンサーとアルペジエイターのテンポを本体では変更できない
  • スレーブモードでもKeyStepのトランスポートセクションで内蔵シーケンサーとアルペジエイターのスタート/ストップ、一時停止、シーケンスのレコーディングが行える
  • 外部クロックを受信/入力していない場合、それ以前に設定していた内部クロックのテンポで動作する
  • 受信/入力した外部クロックを3種類のクロックアウトからスルー出力する この時、すべてのタイプのクロック信号をMIDIクロックに変換してMIDIアウトとUSBポートから出力する

Sync In/Outのタイプ

MIDI Control CenterではSync In/Outそれぞれの端子で入力/出力するクロック信号

  • 1 step (Gate)
  • 1 step (Clock) ※デフォルト設定
  • 1 pulse (Korg)
  • 24 pulses per quarter note (ppqn)
  • 48 ppqn

クロック信号のコネクター

ビンテージ機器とのクロック信号の接続に使用できるコネクターのタイプ

コネクターのタイプ 出力される信号
3.5mmモノ (TS) クロックパルスのみ
3.5mmステレオ (TRS) クロックパルスとスタート/ストップ
3.5mmステレオ (TRS) + DINシンクアダプター クロックパルスとスタート/ストップ

DINシンクの機器と接続する場合はDINシンクアダプターが使用できる

CV/GATE/MOD機能

USB, MIDI, Sync,CV/Gate

KeyStepはUSB, MIDI, Sync,CV/Gateに対応している

ピッチとゲートの動作の仕組みは?

KeyStepの鍵盤を弾くと、弾いたキーの情報がコントロール電圧(CV)とゲート信号に変換され、リアパネルのそれぞれのアウトから出力される
この時出力されるのがピッチとゲートオープン/クローズの信号
ピッチCVはMIDIノートナンバーと対応し、ゲートのオープン/クローズ (オン/オフ) はノートオンとノートオフと対応する
ベロシティ情報はModアウトから出力される
内蔵シーケンサーは鍵盤での演奏をレコーディングし、鍵盤で直接外部機器を演奏しているのと同じように、シーケンスの情報をCV/Gate端子で接続した外部機器に出力する
KeyStepがKbd Playモードの場合、シーケンスの情報がCV/Gate端子から出力され、鍵盤演奏の情報は外部MIDI機器に送信される

DAWからCV/Gate信号の送信

DAWのMIDIトラックからのノートデータをKeyStepのCV/Gate端子に送信することができる
DAWのMIDIトラックのMIDIチャンネルと、KeyStepのMIDIチャンネルを合わせることで可能になる

この場合の注意事項2つ
• CV/Gate端子はモノフォニック (単音) なので、DAWのMIDIトラックに入っているノートデータが和音などを含んだポリフォニックの場合、CV/Gate接続した外部機器ではボイスのすべてが発音されない
複数のボイスが同時に鳴る場合に、どのボイスを優先させるか (ノートプライオリティ:低音優先, 高音優先, 後着優先) は、MIDI Control Centerで設定できる
但し、DAWのMIDIトラックがクォンタイズされていない限り、思い通りの再生にならない場合がある
• CV/Gate端子からはごく基本的な信号(ピッチとノートオン/オフ)しか出力できないので、シンセサイザーのパラメーターをコントロールする信号などは使用できない
そのため、モジュラーシンセ等外部シンセサイザーのエディット等パラメーターコントロールは外部シンセサイザーで行う必要がある

Modアウトの動作の仕組み

ModアウトからはKeyStep内部の3種類の信号ソース(Modストリップ, アフタータッチ, ベロシティ)のいずれか1つがコントロール電圧 (CV) として出力される
この端子を使用して外部機器のボリュームやフィルターのカットオフ、その他をコントロールできる
KeyStepのどの信号ソースをModアウトから出力するかは、MIDI Control Centerで設定できる

DAWでModアウトをコントロールする

MIDI Control CenterでModアウトに出力する信号ソース(ベロシティ, アフタータッチ, MIDIコンティニュアスコントローラー (CC))を選択できる

MIDI CCを選択した場合はCCナンバーを指定できる

各アウトの接続先 (シグナルルーティング)

一般的には、ピッチ (CV) アウトはオシレーター (VCO) に接続する
GateアウトはVCAのトリガーインプットに接続し、ModアウトはVCAかフィルターVCFに接続する (スプリッターかパッチベイで両方に接続することも可能)
このような接続なら結果が予測しやすくなるが、これがルールというわけではなく、入力側(接続先)で受けられる信号であれば、信号をどこにでも接続できる

CV/Gate/Modの仕様

アナログシンセサイザーの中にはあまり一般的ではない規格を採用しているものもあり、KeyStepのCV/Gate/Mod信号が必ずしも完璧に対応できないものもある
KeyStepはできるだけフレキシブルに使えるように設計しており、MIDI Control CenterでCV/GateとMod端子を色々な特性に設定できるようになっている

KeyStepのCV, Gate, Modアウトから出力できる信号のレンジ:

  • Pitchアウトは2種類のCV規格に対応している:
  • 1V/1オクターブ (0〜10V)
  • 0V時のMIDIノートレンジ:C-2〜G8
  • Hz/V (最大 ~12V)
  • 1V時のMIDIノートレンジ:C-2〜G8 (デフォルト設定=C0)
  • Gateアウトは3種類の規格に対応している:
  • Sトリガー
  • Vトリガー:5V
  • Vトリガー:12V
  • Modアウトは0〜12Vの範囲で8種類のオプションから選択できる